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Eternal full moon/under_blog こそりとdeepに語ってます、はい。

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夜羽(よわ)
性別:
女性
趣味:
可愛い雑貨を集めること
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■wj系の趣味サイトを運営。

■サイトからのみお越しいただけます。ここからサイトへは入れません。

■他人の家族の日常に興味のない方はお引き取り下さいね。
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テニミュが終わり、一息吐いていたところへ、いきなり先行チケットのメールが届く。
「NARUTO」がライブ・スペクタクルと打って、舞台化というのだ。
公式のキャラビジュが次々と発表される中、申し込みは保留にした。
おそらくテニミュ疲れもあったと思う。
1stと違って2ndの突っ走りっぷりについていくのは大変で、特に2ndの最中は1stのキャストたちが野に放たれて活躍を始めたこともあり、彼らの公演を予定に差し込んで行くので日程調整も大変だった。
つまり、お疲れ度が倍以上(私比)。

加えて、公式のキャラビジュは完璧すぎた。原作まんま・・・完成度高過ぎ。
娘は会場はアイアシアタートーキョーだったのであまりいい顔をしなかった。
それは私も同じで、仮設?というくらいの簡易な劇場。りっぱな小屋のような感じである。
S席の端はスピーカーや柱が邪魔して見切れ状態のところもあるし、音響もなんだかなぁ・・・で。
母娘は「どうしても!」な演目以外は避けている劇場だ。

そこで「NARUTO」。

キャラビジュも公式であそこまで高いクオリティのものを出してしまったら、決して広くはないアイアの舞台上でちまっと動かれることを考えると違和感がある。
そもそも、あのクオリティそのままで登場できるのか?

加えて、テニミュ繋がりというか、四天放出というか。
ナルトは広大(金ちゃん)、サスケが流司(財前)、カカシが君沢さん(オサムちゃん)である。
「カカシが1コケシやろうとか、やだーー!」(娘、心配の方向が違う・・・)

ところが娘は大蛇丸に目をつけた・・・悠未ひろさん、元宝塚、宙組。
あの美形の男役を多数輩出している宙組の、先般退団した凰稀かなめさんとツートップと言っても過言ではないジェンヌさんである。
「大蛇、うつくしーわー!」銀河英雄伝説を見損ねた母娘は一気に浮上。
それでも、さらに12月の時点での先行を見送る。
私も娘も原作の「NARUTO」に深い思い入れがありすぎるため、素直に舞台化を受け止めることができなかったのだ。

サイトの傾向も有り、私は仁王とギンが好きなサイトマスターと思われているようだが、それは違う。
後にも先にも、はたけカカシなのだ。

年が明け、歌舞伎に宝塚、和樹の舞台と忙しく、2月になる頃。
思い出したように「NARUTO」のチケット(既に一般になっていたが)のハケ具合の様子見に行ってみたのだが・・・「はけてない・・・!」。
A席が埋まっているのは、席数も少なくお安めな代金なのでわかるが、S席が楽以外残っている。
「娘、どうする?ご祝儀代わりに1回行く?」
「行くなら、凱旋がいいなぁ。一周して安定したの観たいし。」
ということで、東京凱旋。
センターの通路側連番の良席がとれたが、逆「に一般がこの席とれるってどーよ!」な感想だった。

そんないきさつながら、GWの某日。
ふたりでアイアへ。
凱旋前には既にこの舞台の評判は高く、テニミュ3rdよりも盛り上がりを見せていたので、私は以前よりは期待が持てた。
しかし、渋谷駅からの道のり、娘は「アイアかぁ・・・」と溜息。よほどアイアにいい印象がないらしい。
凱旋なので物販は静か。プログラムと大蛇丸、カカシのブロマイドを購入。


「We are Fighting Dreamers ~」と幕が上がる前から「GO!!! 」などの懐かしいナンバーが流れる。
(個人的に「目覚めろ!野性」や「ブルーバード」も好き)
ナルトを子供たちに勧めらて読み始めたこと、ナルトショップや忍者ドームで出かけてたことが思い出された。
あの頃、まさか実写で彼らを見ることになろうとは、思いもしなかった。

1幕は波の国編、2幕はサスケ奪還編。
ナルトやイルカ、ミズキまでもが原作そっくりで驚く。
さらにキッズたち(七、八、十班)を含め、今回の舞台にキャラクターが登場し、ポージングする場面で、娘は泣きそうになったと言っていた。

再不斬と白のラストシーン、イルカとナルトの師弟愛、サスケとサクラの別れのシーンなどは泣けるのだが・・・
なんだかしっくりこない、それも全体的に。
どうしても物語の展開がもやっとする。
この舞台は原作を知っているのと、いないのとではどちらが楽しめるのだろう?

やたらと多いシネマティックレコード(?)はたしかに演じるよりは安易だが。
例えば、我愛羅の養育係だった叔父の夜叉丸とのシーンは、端折りすぎで原作ありきな流れを感じるし。
我愛羅の生い立ちよりもナルトとの友情に至るまでをざっくりで良いから演じて欲しかった。

サスケのイタチへの復讐心も原作にとって1本の核であり深く、サスケが自らの意志で抜け忍になるいきさつをもう少しわかりやすく演じられなかっただろうか?
この部分のサスケの心情を絡み合うロープでサスケとイタチに舞わせているが伝わりにくいし、やたら長く、舞台が暗すぎてイタチは闇の扱いなのでいいけれど、サスケが見えない。
それにロープを上下させる機械音が耳障りで、さすがアイアである・・・って感じ。

シカマルの影真似も、黒子がのそのそと這い回っていたので気分が削がれた。
あれこそ影をすーっとなめらかに伸ばして捕らえる形のほうがよかった。
あの時、シカマルはサスケ奪還のリーダーでキッズの中ではダントツの実力があったのだし、失敗に終わったあと綱手に「今度こそは完璧にこなしてみせる」と泣いた。
飄々としながらもサスケを仲間として救えなかったこと、初任務を失敗したことを痛感していた。
だからこそ、違った演出をお願いしたかった。

と、こんな感じで先回りで原作シーンやセリフを思い出してしまう私は、原作から思い描くイメージとのズレに楽しめなくなってきた。
カカシが再不斬に水牢に捕まったときも、「風魔手裏剣、ちっちゃ!」と突っ込んでしまいそうになるし、再不斬を睨みつけるカカシの写輪眼が露わになった表情は見せ場のひとつなのであっさり終わりにして欲しくなかった。

ラスト近くでナルトが公式のトップ映像そのままのシーンを見せるところがあるのだけど、あそこは1分くらいでも良いから真正面を広大に向かせていれば、盛り上がる場面だったように思うので残念。
ただ普通に立ち上がって、次の動きに入ってしまったから。

悠未さんの大蛇は素敵だった。
あの美声を引っさげての登場に一部で悲鳴が上がる。
大蛇と自来也の梅ちゃんが引き締め役に見えた。
梅ちゃん、流石に暴走もなくきっちりこなしてくれた。

カブトの達成はビジュアルの完成度もあるけど、席降りの演技の時の視線がまさにカブト。
すごく非情な目つきが忘れられない。
(海堂も、眼力ある子だから・・・)

今後を考えればキリがないけど、波の国と我愛羅編とサスケ奪還ってかなり詰め込みすぎなのが気になる。
再演はしないつもりで詰め込んでいるのか?
あれだけの原作、再演する予定なら脚本は幾通りもできるはず、あそこまでギチギチに演る必要はないのではと。

ただ忍者なので役柄としては、かなりの身体能力を必要とするし、キャスト選抜は難しいかも。
「タンブリング」のメンバーや「ニチアサ」のアクション出来る子を、どうだろう。

カカシとシカマルが客席降り。
君沢さんは満面の笑顔で。
原作で見せる弓形目の人懐っこさに一瞬見とれてしまって、ハイタッチを娘に盗られた!


再演があったとしたら、今回同様1度は観ると思うけど、どのエピソードを使うかで気持ちは大きく左右されるだろう。
原作は疾風伝になると、複雑になってくるから、思い切ってオリジナルでもいいようにも思う。

あと、余談。
サスケとサクラの別れのシーンで、私は疾風伝(二部)でカカシ班とサスケが再会するシーンを思い出してた。
あそこで、サスケの第一声は「そこにいるのは、サクラか?」で。
サクラちゃんの声を忘れないでいたんだなと・・・深追いして泣けた。
やっぱり、原作知って観るのは危険かも。




さて、
カカシの素顔が公式で、発表されたけど・・・ホクロは反則でしょうーよ!
WJでは口元ホクロはイケメンの共通項か?
(カカシパパも若い時は、かなりのイケメンではないかと思われる素敵パパだったので、よもや裏切ることはないだろうと安心してたけど)
まぁ、忍としては印象の残るものがあるなら隠したほうがいいだろうし、そういう意味で口布をしていたとしたら、写輪眼のおかげでビンゴブックに載る忍になってしまったので、隠す意味はなくなったのでは?まして、口布のほうが怪しいけど。ともあれ、カカシ、かっこいいってことで・・・!

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桜も散り、雪も降り、夏日も有り、春はどこ?な昨今。
先日、地元のイタリアンバルで筍とホタルイカのタルタルと筍と桜えびのピザを食して、少しだけ春を感じた次第。
食すといえば、日比谷の東京宝塚劇場の向かいで舞台を観て、人でごった返す東京八重洲地下街の天ぷら屋さんで娘と、少しだけ呑んだあと、同じフロアの肴の美味しい居酒屋さんに移動したら、通路まで人が溢れてた。唖然。

3-4年ぶりに来た松本清張WAVE。
短編を中心に読み返しを始めたら私小説的なものが混じり、ひどく憂鬱な読後に。
なんだかじめっとした畳に長時間座らされているような陰鬱感が漂う。
なので、今回は長く続かずに「居酒屋ぼったくり」に移動。
現在三巻まで出ているが、ドラマになったら楽しそう。女店主の人情物語は「みをつくし料理帖」よりライト。
深夜食堂といい、ぼったくりといい、紙上ではなんて魅力的な食べ物屋が多いんだ!
そして、現在「満州国演義」(船戸与一)シリーズが完結したので読み始めてる。

それにしても、テニミュ3rdは・・・
不二の子が少し話題に上るくらいで、私の周りでは無音無風状態。
なので、ちょっと調べてみると。
なんとまぁ、華の無い子達が揃っていることか。
まんま、部活動のような様相。
もう少し舞台に対する情熱を外側に出せないか?
「なんか違うの来ちゃったな」って思う。

それを補うように、「CLUB SEVEN 10th Stage!」を観劇。
約1年4ヶ月ぶりの公演は10thの記念の回。
三強のひとり、吉野圭吾さんが不参加だけど、映像で参加(?)。
みんなに愛されてるのはわかったけど、扱い方が雑?!
その圭吾さん枠を東山義久が補強。
年齢的にこの枠が不在になると、舞台が回し辛いと思うので、義くんの起用はよかった。
が、義くんはめっちゃ大阪人(笑い;

監督シリーズでは部長の玉野さんのむちゃぶりが炸裂!
お掃除オバさんヨシモト役の義くんが止まらない!
むちゃぶり指名に遠い目になるマサ、最年少ながら頼られすぎのまさし、キレのある壁ドンを披露したあいばっち、ヤケクソなヒデ。
それでもね、この四人が並ぶとね。
仁王に千歳、不二に白石・・・みんな立派になったなってちょっとじんわりする。

シンケンジャーやドルイットの小ネタを挟んでくるし、極め付きは、「五十音順ヒットメドレー」内で恒例のテニスのシーン。
あいばっちの返し球を「今の何?」とマサ。
「あ、零式」とあっさり答えるあいばっち。
「ああ、ここ(に落ちた)ね」とラケットでボールの位置を指すマサ。
その間、ヒデはラケットを慣れた手つきで弄んで。
それを見て「ヒデさま、エクスタってもいいのに」と娘。
そ、そうなの?
てゆーか、義くんのぐんまちゃん、まさしのくまモン、マサのふなっしーが見られるとは!

ミニシアターは、今回はよい出来。
(上から目線;)
玉野さんも1本化を考えている、と言ってたけど実現すれば観たいかも。

そして、74曲、46分ノンストップの、「五十音順ヒットメドレー」。
義くんとマサは、汗びっしょり。
汗をにじませるヒデを初めて見た。
それにしてもラスト直前の一番きついところに、どうしていつも「Rising Sun」を持ってくるかな?


We gonna make it,oh-o-oh♪~の「CLUB SEVEN のテーマ」で始まり終わる。
玉野部長が扉に向こうに消えていくときが、一番寂しい。
それでも「次回はいつごろかな?」と思いを馳せられる「CLUB SEVEN 」は幸せ。
(2016年は5月-秋頃までを予想)。


そんな中、「黒執事」の再演の報が入り、二代目セバスなんて考えたこともなかっただけに少し混乱。
それでも、候補を考える母娘。
うーん、いろいろあるけど鈴木勝吾でいかがなものか?

今月初めに「ボンベイドリームス」を観てきたわ。
和樹はヒールで殺されちゃったわ。
ティボルト以来の美しい殺され方だったわ。
でも、本家でヴィクラム役はいかにも!なヒールらしいけど、日本版はイケメンなので大幅に緩和されてるみたい。
婚約者を思うあまり、悪に手を染める和樹ヴィクラム。
でも、何よりも踊る和樹を観られたわ、超現象だわ!
まぁ、タイタニックも死んじゃう役だし。大丈夫かしら?今年の和樹。

ヒールといえば、昨年の兼ちゃんがヒール多だったわ。
それも生粋の「お主も悪よのぅ」って風。
だけど、兼ちゃんはタッパもあるし、がっしりした骨太体躯なので迫力あって似合うのよ。

ついでに、タイタニックはゆんも出演。(エリザベートもね)
昨年の「レディ・ベス」の半もろ肌脱ぎ(?)がなつかしいわ。
エリザといえば、今回ルキーニがWキャストで松也。
いっくんは心配ないけど(私感)、松也は心配。
キッチュがはげしく心配!

閑話休題

息子のロードバイク熱が再燃。
先日もいきなり都内へ行っちゃった事例が発生。
とりあえず、銀座までが最長記録。
今回は少し短めで、往復130㌔を走破。

ちなみにこれだけ身体能力があるのに帰宅部。
周りはもったいないと言うけど、本人は「興味がないからやりたくない」だそうよ。
もちろん、ロードバイクは買い与えられていないので、主人のを拝借。
それを煽る主人もどうかと思うわ。

それでも一応高校生なので春休み前に資格試験はあるわ、期末試験はあるわで大変よ、親も。
娘はそれなりだったけど、息子はちょっとね・・・えーっと、って感じ。
そんな中、ペトロールズのライブがあって、ヘアカラーモデルもあって(きたむーの地元友達の美容師さんから依頼)、遊びの方も忙しい。

「学校のカイダン」のプラチナ組に成田凌くんがいるので、ドラマを見るのも忙しいらしいわ。
成田くんは拳士朗くんと同じショップのバイト仲間で、ショップでお話することも。
(今はメンノンの専属モデルさん)
「大人しそうだけど、どうなの?」と聞くと結構それなり騒ぐし、ノリもいいらしいです。
拳士朗君と渋谷をキックボードで走り回ったりしてたらしく「この人(拳士朗くん)全然、手加減しないんだよ~~」と泣いてたそうですわよ。
(成田くん、置いてきぼり・・・)


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現在、twitterの本アカで「#美味しいものをお蔵出し」をやってます。
ブログでは画像のみで出していなかった店名やリンクもついてます。
2012年~くらいから訪問したお店です。
オススメ店になってますのでご参考まで。

来月あたりは娘とちょっとDEEPな立呑みや居酒屋巡りをする予定です。




私は十一代目海老蔵の舞台を観たことがない。
観たいと思ったこともないし、彼に魅力を感じたこともない。
そんな私を諌めるように、偶然にも申し込んだ招待枠が当選した。

スター性はあるが、芸がついていかない・・・それが成田屋に対する私の率直な意見だ。
先代が海老様と呼ばれ、その美男ぶりを褒められこそしたが、当時の歌舞伎座は閑古鳥が鳴く状態だったと聞く。
松竹も頭を抱える中、救世主となったのが、異端、歌舞者、ケレン役者と蔑まれた市川猿之助(現:猿翁)だった。
彼は、養成所出身者を部屋子に据え、厳しい修行を課した。
血筋よりも、芸を選んだことで梨園の反発を買うが、それを演じることで払拭する。
「猿之助歌舞伎」「スーパー歌舞伎」口語を交え、スピード感溢れる舞台はそう呼ばれた。
しかし、それはきっかけに過ぎない。
宙乗りを「サーカス」とまで蔑まれた猿之助一門は、古典歌舞伎も美しく忠実に演じて観せていく。
当時、一枚看板で客を呼べるのは、猿之助と玉三郎と言われたものだ。


2015年、新橋演舞場の新春花形歌舞伎は市川海老蔵の「石川五右衛門」。
私は、彼の舞台を観るのがなぜか不安で、十数年ぶりに私に歌舞伎を教えた友人に同行を求めた。
そして、その不安は的中する。

触りのあと、紫に白抜きで「石川五右衛門」の幕が下がる。
まるで映画のタイトルのよう。
これからの壮大なスケールを予感させるが、そこまでだった。

「やはり・・・」
父・團十郎も口跡が決定的に悪かった。
舞台に立つ海老蔵の第一声も、硝子に遮られて篭り、どうにか客席に届いているとしか思えない状態だ。
海老蔵は顔も大きいし、すっきりとしているが上半身と下半身のバランスが悪い。これは歌舞伎役者として理想的な体型だ。

なのに、動きも余裕というよりは緩慢、それを堂々とやっているので余計に悪く目立つ。
早変わりも鈍く、必要のない脇の役者の繋ぎの演技を延々と見せられる。
物語は、ファンタジー要素を取り入れて面白くしている脚本は認めるが、ストーリーを演じ切れておらず、幕が変わるごとにに話がぶつ切り。
これでは、筋書きを追っても、イヤホンガイドでいくら説明されても、何も伝わらない。
五右衛門が中国で悪者を退治しました、めでたしめでたし・・・では桃太郎だ。

その中で、誠実に演じ舞うのは助演の澤瀉屋の面々だ。
五右衛門と絡む、秀吉役の右近。その家臣役の猿弥。
中国の女将軍役の笑三郎。
特に笑三郎の舞は戦いを表すスピード感にあふれていながら、仕草が指先まで美しい。
剣舞も有り、圧倒的な存在感を花道で示す。

それでも、拍手もまばらで客席も盛り上がらず、そのまま大詰へ。
敵を蹴散らす芝居も、足払いはのろのろとしている上にトンボもまともに切れない門弟たち。

門上からいきなりあのくぐもった声で、「絶景かな、絶景かな」と本日何度目になるのか、数えるのも億劫になった見得を切られ、「帝になった」と続くセリフに私は唖然。
客席もあまりの脈絡の無さに失笑がもれたほどだ。
そしてあろうことか、そのまま芝居は終わってしまった。
これが、門弟筋まで名優を輩出すると言われる成田屋なのか・・・?
なにかの間違いであってほしい。



帰り支度をしながら、「定式幕を引きすぎよね」と同行の彼女が言う。
場の変換を定式幕で区切ることで済ませていると・・・
幕と幕の間の違和感はそれだったのだと、私は気づいた。
彼女に連絡した際に「海老蔵はどうか」と尋ねたが、言葉が出なかったのは「招待で行く程度なら観られないこともない」の意味だったのだろう。

夜の銀座を歩きながら、彼女は言う。
「私たちは、いい時代の歌舞伎を観すぎたのよ。」
舞台狭しと身体全体を使って、演じた猿之助。
早変わりも長けて、それこそあっという間に舞台に戻ってくる。
(当時、つけていた観劇日誌に「代役かと思った」と書いてある)
裏方たちの仕事も楽ではなかったろうが、芝居を成功させることで応えていた役者たちに満足していたと思う。

「今はね、骸骨のようになってしまったわ。」
病を得た猿之助のことだ。
「病気が、猿之助から芸を奪っていく。」
同感だった。
「右近が、猿之助を継ぐとあの頃は思ってたのにね。」
彼女もうなづいた。

病気は心も弱くさせる。
猿之助は唯一の実子である香川照之が、かつて楽屋を訪ねた折り門前払いをしている。
だが、やはり「血は水よりも濃い」を受け入れた。

香川の今の活躍があるのは、この門前払いによる奮起もあると思う。
歌舞伎俳優の父と祖父、宝塚の元娘役トップの母、浜木綿子。
祖母は戦前に活躍した女優、高杉早苗。
それを思えば、香川も従兄弟の亀治郎(現:猿之助)も芸事はサラブレッドだ。

しかし、香川は芸能界で亀治郎も進学の為に舞台から離れていた時期がある。
ある意味その留守を預かり、猿之助と共に澤瀉屋を盛り上げたのは弟の段四郎と部屋子達だ。
今では、玉三郎が春猿を離さず、笑三郎は藤間流の踊りの名手。
右近、笑也は常に彼らのトップに立ち、猿之助に添うた。
その門弟たちが今や、唯一猿之助の歌舞伎を肌で知る者として、別門の御曹司達から教えを請われるほどになっているらしい。
かつて絶頂期の猿之助の舞台を支え、ノウハウを知る裏方の人たちも同様だ。

「石川五右衛門」を澤瀉屋が演じたなら、全く違ったものになっていたに違いない。
何よりも歌舞伎の従来の演出を覆す、観客に楽しませ、受け入れられる歌舞伎を目指したパイオニアが澤瀉屋で有り三代目猿之助だ。

今でも「リュウオー」のカーテンコールが忘れられない。
一瞬場内がしん・・・したと思ったら、後方席から押し寄せるどよめきに、私は驚いて振り返った。
上階の観客が総立ちになり拍手を贈っていた。
それはいつまでも、鳴り止むことがなかった。

観る者を素直な感動に導く。
私は、ずっとそうした歌舞伎を観てきた。
「いい時代を観すぎた」のかもしれないと思う。
けれど遠くない未来に、同じ時代が築けていることを私は強く願う。


三ヶ日から出勤で、なんとなくソワっと腰が落ち着かず。
それなのに、あっという間に通常運転。
サイト別館のお話の資料用に「東京アンダーワールド 」を読んだけど、あと1/4くらいを残して飽きてしまった。
この1週間で30冊くらいコミックを含め、読みました。
活中は、今年も健在なようです。



跡部リングが届きました。
連物かと思ったら、セット物。
ティアラと薔薇のリングは華奢だけど、薔薇の中心にブルーのジルコン(?)が入ってる。
ダイヤに見立てたとしたら、ブルーが一番高価だから跡部には相応しいかも。
柔らかいプラチナでは出来ない細かな凹凸の多いデザイン。

数年前に各校のチャーム付きネックレス以来、久しぶりに購買意欲をそそられました。
鰤の全盛期の頃に、乱菊のネックレスを買いそびれたことが、今でも悔やまれます。


そして、全国決勝のDVDをお正月に娘と鑑賞。
DVDも振り返れば、1stの関東立海の時に1万円を超えたときは驚愕したけど、もう慣れたわ。
本編を後回しにして、バクステから観る。
センターへ進み出てくる神永くんがまっすーに似ててしみじみ。
キャストに似せるってこういうことなんだなぁ。

カウントが取れなかった小沼くんがラストでガッツリ跡部を演じたあと、控え室の壁際に置かれたパイプ椅子に崩れるように座って、人目も憚らずに泣き出すのを、イセダイがかばうように抱きしめて。
その隣で肩に手を置いて、二人を見守る友常くんがいて。

イセダイはどうしてあそこまで、小沼くんに肩入れしたんだろう・・・というのは跡部が彼に決まった頃からの疑問でした。
あくまでも私個人の想像だけど、カンパニーに歓迎されていなかった跡部に思えてならないんですよね。
関東立海のキャストも、全国は代替わりか?と噂されていたけど、揃って全国の舞台に立ったから、ここで跡部が交代という事態は誰も思っていなかったはず。

でも、ふたりだけの氷帝ライバルズ。
イセダイにとって、つねくんから小沼くんに代わっても、一緒に舞台に立っている小沼くんが彼にとっては跡部部長だったのでしょう。
内部からの反発も、おそらくあったと思うけれど。腐らずに、やり遂げられたのは小沼くんの地の性格とイセダイの存在と言っていいのかな。

東京公演で、跡部が全く演じられてなくてがっかりさせられたのですが、凱旋ではしっかりと跡部を演じていました。こんなに短期間で・・・と驚かされました。
11月のDLは、W跡部としてステージに登場できたことで、小沼くん自身の短いながらも充実したテニミュが完結したのでしょう。
振り返ることなく、次に踏み出していった彼を私は頼もしい思いで見送ることが出来ました。


頑張れたといえば、おごたん。
500回越えを無事迎えられたのは、本人の努力や家族の支えのほかに明らかに1stのときとは違う、キャストへのサポート体制ではないかと思ってました。
健康管理や精神緩和など多方面に手厚い体制が敷かれていたのでは?と。

その分、あまりやんちゃはできなかったみたいですけど、そこは1stのほうがおかしかっただけで。
問題児(立海の元気やマサ)もいたし、地方のホテルで浴場を壊しちゃったりね(笑;)
2ndが各部屋でおとなしくしてたこととは対照的。
それも1stと2ndのカラーなんでしょうね。


それにしても、3rdは・・・早速もがいてますね。
演じるプレッシャーはもとより、次に繋げる責任もキャストにはあります。
気の毒な事態にならなければよいのですが・・・