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Eternal full moon/under_blog こそりとdeepに語ってます、はい。

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まずは、帝劇「エリザベート」を語ろうと思うのだけど、ちょっと置いといて・・・
こっちが先です。歌舞伎座「七月大歌舞伎」よ。
また、海老蔵の悪口でしょ!とお思いの方々はだいたいあってる。

昼の部で演目は・・・
一幕「南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)」(獅童、右近)
二幕「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」(玉三郎、海老蔵)
三幕「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」(猿之助)
の三本です(サザエさんを意識)


歌舞伎は年々高齢化してるらしいのだけど、昔から名優を観まくってる歌舞伎歴数十年の方々が客席を埋めてることを忘れたらいけません。
私なんて、歌舞伎座のお手洗いに並んでる最中に、そういったご年配のお歴々の噂話に聞き耳立てちゃいます。
こういった方々は、脳内にしっかり役者の家系図が張り付いているし、数々のエピソードも井戸端会議のごとくいたしますので、ありがたい。
加えて、今回はおしゃれファッションの60.70代のおばさま方がいっぱい。
20年後のお手本にさせていただくわ。
と、まぁ、こんな目の肥えた観客を前に「ヘタなりに一生懸命」とか「台詞を噛むのもご愛嬌」は許されない。
家名(屋号)を名跡背負ってる重責を忘れてはならないから。

海老蔵の芸が及第点であれば、素行の悪さに目を瞑っても贔屓にしたと思うの。
見目も悪くないし、先代猿之助に「狐忠信」の教えを乞うた真摯さも買いましょう。
しかし・・・歌舞伎は完璧に演じてナンボである。

今の海老蔵に求められているのは、獅童や愛之助とともに若者を歌舞伎に呼び込むことなので、芸は後回しにされるのね。
代わりに安定した人気を誇る若手は、勘太郎、七之助兄弟や先代の流れを汲む猿之助率いる澤瀉一門、菊之助や辰之助(現・松緑)といった平成三之助(もう一人は新之助/現・海老蔵)あたりね。
澤瀉屋を紐解けば、才能過多な若手役者は多いけど、ここでは割愛。


一幕を一言で言えば、右近に頼りっぱなしの獅童ってとこかしら?
獅童が中学生でタラタラと舞台に出ていた頃、右近は先代猿之助の右腕として舞台狭しと奮闘してたわ。
それなりに人気が出てきた現在、自分のほうが右近より格上だとでも錯覚しちゃってるのかしら?
だとしたら、私たち観客も舐められたものね。
とはいえ、客席を埋めている歌舞伎歴数十年の方々は芸のなってない役者に、拍手なんかしないわよ。
ここでハラハラしたのが、トンボを切る獅童のお弟子さんたち。
とにかく危なっかしい。3人超えの時なんて、着地がぎりぎりで間違えば大怪我だわ。


二幕は最悪。
お富さんの源氏店と言えば、有名なシーン。
婀娜っぽい玉三郎のお富をしばらく堪能後、熟睡。

「いやさ、お富久しぶりだな」のセリフで覚醒したわ。
そのまま、お富を囲っている(振りをしている、実は実兄)中車の静かな佇まいが舞台に充満していて、なんだか見直してしまった。
私にとって、中車は先代猿之助の声を思い出させる唯一の存在。
彼こそ、芸は後付でいいと思ってるのに、やっぱり、映像の世界に身を置いてきた香川は上手い。
舞台の見せ方を知ってる感じね。
世話物の時に、この中車のような位置の役者が澤瀉屋にはいなかったので、これから重宝がられるかも。
澤瀉屋は華やかさが先に立つので、中堅のこういったタイプの役者が育たなかったしね。

三幕は観客も一体になって盛り上がってるのがわかる、スゴイ舞台だった。
先代の「伊達の十役」も素晴らしかったけど、この猿之助の六役早変わりも久しぶりに澤瀉屋のチームワークの良さを感じたわ。
壁の向こうに消えたと思ったら地方さんたちの所から出てくる。
花道に消えたと思ったら、舞台の中央に登場する。
全く、その小気味よさと言ったら・・・・!
澤瀉屋の本領発揮、八面六臂の大活躍。
客席から感嘆とともに送られる拍手は、老若男女関係なく楽しんでる雰囲気に満ちていて。
まだまだ、歌舞伎に通わなくてはと気持ちも新たになる、現金な私。


蜘蛛の化身の話なので、千筋の糸を多用するんだけど、四方八方にまき散らされるその糸を後見がしゅるしゅると綺麗な所作で巻き取って、何事もなかったように袖に消えて行くのよ。
あれも、芸のひとつだわね。
舞台の上の動きは全て芸でなくてはならない、それが徹底してる。

ここでは、ツケ(上手の隅にすすっと現れて役者の動作に合わせて、拍子木みたいなのを床に打ち付ける音響さん?)がもう名人芸!少しの間、舞台よりツケ打ちさんを見つめちゃったわ。
地方さんだちというか浄瑠璃の方々(この辺の区別が良く分かっていない私よ。反省)、役者の熱が移るのか身を乗り出して唾飛ばして語る姿には感動するわ。

浄瑠璃と言えば、清元志寿太夫さんという、私が見初めたころにすでに90歳を越えていらした人間国宝の方がいらして、私たちの間ではちょっとしたアイドルだったわ。
「志寿太夫さん、今日もお元気でよかったわ」って声をよく聞きました。
みなさん、健康状態を気にしてましたね。
その志寿太夫さんの曾孫が、一昨年「ロミジュリ」のトリプルキャストでロミオを演じた柿澤勇人くん。芸事の家はやはりDNAが違うのね。

それから、あえて死語だけど使うわ。
KYな30代前半くらいの女が二列前の下手にいて、まず、露出多めの服装(イタイ・・・!)が浮きまくり。しきりに拍手(それも頭上でアピール拍手)、くだらない海老蔵のギャクに大声で体を揺らして笑うといったわかりやすさ、猿之助の早変わりを感嘆するどころか大はしゃぎ!舞台に向かって手を振るわ、なんなの、この珍獣?

大向こうさんだって、声をかけるところが流れで決まっているのと同じで、ここで拍手っていうのはある程度、演目によって慣例化してるし、初めての演目でもまわりを察して、覚えるんですけど。

さて、猿之助のスーパー歌舞伎Ⅱの「ワンピース」の配役が出揃ったわ。
この舞台、2.5次元ミュージカルが好きな方にぜひ見てもらいたい。
おそらく舞台に数々の仕掛けが施され、役者が舞台狭しと暴れまわるはず。
スーパー歌舞伎Ⅱと銘打ってるのは先代への尊敬か、抗いかはわからない。

少年のころから父と叔父が奮闘する舞台を一番近くで見てきた猿之助。
四代目を継ぐにあたっても葛藤はあったはず。それでもすべてを受け入れたのは、やはり歌舞伎への情熱が、澤瀉屋の血が、沸き立ったのだろう。

私が初めて観たのはスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」。
それも、宝塚で言うところの新人公演。
主役を演じたのは猿之助ではなく、中村信二郎。容姿はさわやかなイケメン。
当時、あれは歌舞伎ではない!とレッテルを張られた猿之助のスーパー歌舞伎は助演してくれる役者は皆無と言ってもよかったのよ。

しかし、澤瀉屋だけではどうしても補えない。
そこへ、「ぜひ、使ってほしい」と申し出たのが信二郎。
叔父が確か時蔵丈、名門の出であるにも関わらず、猿之助に頭を下げたって聞いてる。
私にとっては、夢のような舞台だったわ。だから、それがインプリンティング。
その信二郎の息子、隼人が「ワンピース」にサンジで出演。
この子も父親似のイケメンくんです。



普通の歌舞伎(語弊があるけど)は一生懸命勉強して、楽しめるレベルまでになったのよ。
でも、当時は歌右衛門丈をはじめとする名優がごまんといたので、観たい舞台が目白押しだったのも原因ね。

どうも、長くなってしまったわ。
勘太郎と、巳之助の「棒しばり」のお話はまた今度。

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